アナタダケノイチマイを届ける理由
すべての始まりは、イチマイのユニフォームでした。
1998年、12歳のとき。
フランス代表のジネディーヌ・ジダンに憧れました。
同じユニフォームが欲しい。けれど、北海道の地方で暮らしていた子どもには、どこで、どうやって買えばいいのかさえ分からない。当時の海外サッカーは、今よりもずっと遠い存在でした。
2000年、14歳の誕生日。
初めて買ってもらったユニフォームは、マンチェスター・ユナイテッドのデイヴィッド・ベッカムの長袖でした。
少しでも長く着られるようにと、選んだのはかなり大きめのサイズ。そのイチマイを、大学を卒業する頃まで、10年近く着続けました。
私たちにとって、ユニフォームは昔から単なる「服」ではありません。
サッカーが、日常から遠ざかっていった
その後、日本から欧州サッカーを楽しめる環境はどんどん整っていきました。
けれど社会人になると、深夜の試合をリアルタイムで追い続けることは難しくなります。仕事が忙しくなるにつれ、あれほど好きだったサッカーも、少しずつ日常から離れていきました。
それが変わったのは、2015年の冬です。
FIFAクラブワールドカップでFCバルセロナが来日。その試合を観に行くために、妻とお揃いでバルセロナのユニフォームを買いました。
久しぶりにユニフォームを着て、スタジアムへ向かう。
それだけで、日常にサッカーが戻ってきました。
毎試合をリアルタイムで観られなくてもいい。好きな選手のユニフォームを着る。部屋に飾る。グッズを身につける。
「推し」が日常の中にあること。それこそが、スポーツを好きでい続けるための大切な接点になる。
あらためて、そう気づきました。
欲しいイチマイが、簡単には手に入らない
ところが、いざ日本でユニフォームを探してみると、選択肢は決して多くありませんでした。
クラブや選手、仕様によっては国内で販売されていない。注文できても、届くまでに長い時間がかかる。海外から取り寄せれば送料や関税がかかり、ネーム&ナンバーの圧着品質にもばらつきがある。
もっと自由に、好きなユニフォームを選べたらいいのに。
好きな選手のネーム&ナンバーやパッチを、きれいに加工してもらえたらいいのに。
当時はまだ会社員でしたが、ないのなら自分でやってみよう、と決めました。
業務用のヒートプレス機を購入し、自ら圧着加工を始めました。より良い資材を求めて海外へ足を運び、サプライヤーを探しました。加工品質を高めるために、イタリア製のプロフェッショナル用ヒートプレス機も導入しました。
仕事を終えてから深夜まで、イチマイずつプレスを続ける日々。法人化するまでに加工したユニフォームは、現行・過去シーズンを合わせて10,000着を超えます。
シャツを売るだけの店にはしたくない
こうして生まれたのが、Kit of the Dayです。
私たちがつくりたいのは、ただ「ユニフォームが買える場所」ではありません。
国内外からセレクトしたユニフォームを販売し、選手のネーム&ナンバーや大会パッチまで含めたカスタマイズを行う。それに加えて大切にしているのが、お客様がすでにお持ちのユニフォームへの加工です。
昔買った、思い出のシャツ。
現地で手に入れたイチマイ。
ずっと探していた、過去シーズンのユニフォーム。
そうしたシャツは、オンラインでお送りいただくことも、実店舗へ直接お持ち込みいただくこともできます。
住んでいる場所によって、欲しいイチマイが手に入らない。子どもの頃に北海道で感じたそのもどかしさを、もう誰にも感じてほしくありません。だからこそ、オンラインストアで全国どこへでもお届けする。そして地元のお客様には、実店舗でできるだけすぐにお渡しする。それを目指しています。
加工はすべて自社で行い、在庫品は2〜3日、加工を必要とする商品でも10日以内の発送を目指しています。
新品のシャツを選ぶところから始めてもいい。
すでに持っているイチマイを、完成させてもいい。
販売と持ち込み加工。その両方を手がけるのは、私たちが届けたいものが「商品」だけではないからです。
アナタダケノイチマイを。
背中に、好きな選手の名前が入った瞬間。
袖に、あの大会のパッチが付いた瞬間。
同じユニフォームでも、そのイチマイは少しだけ特別なものになります。
そこには、好きなクラブや選手、忘れられない試合、そしてその時代を見つめていた自分自身の記憶が重なっていきます。
14歳で手にしたベッカムの長袖を、10年近く着続けたように。
イチマイのユニフォームが、誰かの日常に長く寄り添う存在になるかもしれない。
だから私たちは、今日もイチマイずつ加工します。
早く、正確に、そしてできる限り美しく。
アナタダケノイチマイを。
それが、Kit of the Dayです。